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2007年4月30日を表示

獣医毒性学

なんでも実況V大学において、次は獣医毒性学の講義を行うことになったので、ここにその概要を記す。

講義名からもわかるように、「毒」の「性質」について研究する学問であるが、これが独立した学問として確立したのは比較的最近のことである。しかしその元を辿れば、歴史上に「毒」が登場したのは有史以前であり、古くは武器としての役目を担いながら、その力と重要性を誇示してきた。毒ニンジンの汁を飲んで死んだと言われるソクラテスや、最近ではトリカブトを使用した殺人事件も一時話題となった。
今現在これらの植物が毒であることが知られているのは、長年蓄えられてきた植物に関する知識、ひいては「薬」として使用される植物もまた、「薬学」としての発展を古くから支え、何を「毒」として捉え、また人体にどのような影響を及ぼすのか、様々な試行錯誤が重ねられてきた結果である。

近代以降、有機化学の発展に伴い、「毒」もまた様々な化合物が人体に及ぼす影響によるものだと判明した。これまで植物単位で研究されてきた毒の影響(人体にどのような影響を及ぼすか)を医術のひとつとして役立てようという「薬学」から、何がそのような影響を人体に及ぼすのかを研究し、毒の人体での挙動を知ろうとする「毒性学」が、ここで初めて成立した。

例えば我々が日々「発ガン物質」と言う化合物があるが、ならばこれらの化合物はなぜガン(悪性腫瘍)を発生させるのか、そしてどのようにガン細胞を発生させているのかを研究しているのが毒性学である。悪性腫瘍の発生プロセスにおけるこれらの化合物の挙動を知ることができれば、似たような化合物について、人体の暴露にに対する危険性の予知が可能であるとともに、実際に暴露した際の対処法や、新たな薬品の開発にも応用できる。

薬学の一派として知られている毒性学の研究対象は、さらに毒性物質の発見も対象としている。日本における公害の原因となった化学物質を突き止たのは、まさに毒性学の成果だと言っても過言ではない。原因と見られる多くの化学物質の中から、たった少数の原因を特定することは容易ではない。

この学問は言わずもがな、これまでの生物学の上に成り立っている非常に専門的な学問であり、我々が今後社会で生活していくにあたり、それを専門に扱う職業(医者、薬剤師、製薬会社など)でない人にとっては全く不必要な知識である。しかしながら、広い意味での現在の医学が、どのように成立し、どれだけ信頼の置けるものであるかを知り、もしこの知識が活かされるような経験があれば、今後の人生にそれを活かしていってもらえればと思うばかりである。



4月30日(月)01:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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