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エロゲと英語のブログ
 



2010年1月を表示

Nursery Rhyme プレイ記2

日常をいかに「普通」に描くか

エロゲ的な意味での「普通」とは、現実のそれとは異なり、より稀にしか起こることのないと思われる出来事が次々に起こる中で、主人公=プレイヤーとしてそれが自然に受け入れられる状態になることを意味する。結局、この手のゲームに銭を注ぎ込む人間とは日常の中に異性とのふれあいを求めているのだろうということを教えてくれる。特に萌えを重視する作品の場合には、主人公はヒロインにとって頼られる存在であることが重要であり、またプレイヤーはそうあり続けなければならないということを強要される。つまり、主人公に個性が与えられることの多い昨今の萌え系作品においては、主人公がどれだけ自分に似ていないかという点と、選択肢によるイベントの変化がどれだけプレイヤーの望んだ、もしくは良い意味で驚かせるものになっているかが、自身の作品に対する感想に直結する。作品を客観的に評価する場合には、主人公がどれだけ作品の世界観に対して浮いていないかが重要視されるが(あえて浮かせている場合もある)、この点でこの作品の主人公はやや優柔不断な点があり、SFチックな設定を盛り込んでキャラの特徴付けをより強めている部分と、やや相対する印象を受ける。分かりやすく言うと、ヒロインの存在に対して、主人公がその世界観に埋め込まれているに過ぎないのである。つよきす等でも同じような主人公の用いられ方をされており、これが悪いものとは言い切れないが、あくまでエロゲーという立場上(ギャルゲーであっても不文律として)、この作品の場合には主人公が男性であることを意識させる描写があまりにも少なすぎることが、評価を下げざるを得ないひとつの要因であることは間違いない。一方で、5年も前に草食系男子という概念を持ち込んでいた作品と考えれば、草分け的作品として高く評価できるだろう。

こういう作品に限ってエロシーンで主人公がマッチョ

現在の一週目終了段階では、誰にもフラグが立たず、ある種のハッピーエンドで終わったわけだが、さすが萌えゲーだけあって、ただ何も起こらないことが肯定的な印象を与える。プレイヤーに二週目を促すための工夫が、私が好むような作品とは根本的に異なり、同時にTo Heart2のような胸の高鳴りが得られないことも、私の気持ちをプレイ終了の方向に向かわせてしまっている。どんなに客観的にエロゲを評価しようとも、そのエロゲをプレイするのは主体性を持った私自身なのだから、こればかりはどうしようもないものである。


そこで「もう一周だけやって終わろうか」と思うのも私自身なのである。



1月16日(土)16:31 | トラックバック(9) | コメント(0) | 趣味 | 管理

Nursery Rhyme プレイ記1

普通に面白い

さて、新年一発目の話題がこれというあたりで私のひねくれた性格が見て取れるところではあるが、そらいろリトバスを差し置いてこれに食指が伸びたことには、いくつか理由がある。まず第一に、この作品のディスクを手放さなくてはならなくなったこと、第二に、その話題性に反して本編の内容を知るものは非常に少ないこと、最後に例の曲への愛郷である。今や廃れつつあるニコニコ動画における弾幕という文化の発端ともなった作品のひとつであり、時代背景としてはTo Heart2と共に昨今の萌え系作品の礎として重要な位置にある作品であるため、この作品の内容を知ることは、私のような特にシナリオを重視するエロゲを評論する者にとっては、ひとつの通過点となり得るのである。
シナリオを重視するエロゲとは、広義にはいわゆるエロゲにおけるエロを描くために付随するシナリオではなく、シナリオにエロが付随する作品全般を指す。すなわち直接的なエロを極力避けようとする萌え系の作品もこれに含まれるが、その線引きはプレイヤー(評論者)によって異なる。狭義には、完全にシナリオありきで、キャラは全てそのシナリオを演じるための一要素でしかない作品を指し、つまり描こうとしている内容がヒロインそのものではない作品がこれに当たる。例としては特にONEが分かり易い。ヒロインによらず、EDは同じ展開である。萌え系の作品はヒロインの描写を徹底するため、この定義からは外れることになる。もちろんこの線引きも人により異なるが、わりかし狭い定義のニュアンスで用いる人が多い。
前置きが長くなってしまったが、やはりこの作品は典型的な萌えゲーに分類できる。メーカーHP等からも分かるように、萌えゲーの視点からシナリオ重視、すなわち萌えと感動(「泣き」は更に狭い意味で用いる)の両立を目指した作品というわけである。昨今のエロゲーでは主流となっているこの手法も、当時はまだ萌えという表現を一人のヒロインにより濃く乗せることが重要視されていたせいか、やはりプレイヤーを作品の世界観に引きつけるための独自の工夫が見られない。ただヒロインの魅力だけで引きつけようというには、このメーカーの処女作としては話題性に欠けた側面もある。しかしながら、メーカーとしての方向性を定めた作品として捉えると、今となっては一定の地位を築く上で成功を収めた作品と考えることもできるだろう。

「新鮮」が「朝鮮」に見えた

この作品でも相変わらず耳にかかるような声を出す声優ばかりが活躍していることはさておき、制服のデザインは当時の作品として見ても脱帽である。
いわゆる異人と言われるジャンルが日常として登場する作品は珍しくないが、魔女という形態がこうもロリキャラとして描かれるのが定番というのは私も疑問に思うところである。似たようなところで、双子という設定が付随するヒロイン同士が全く似ていないことも容認される風潮があり、この作品も例に漏れない。そして淡々と定番イベントをこなす中で、この作品だけに見られる特長が一切無いことは特筆すべき点だろう。これこそがこの作品の知名度とは裏腹に、エロゲーとしては評価されていない最も大きな要因であることは誰の目から見ても明らかである。だがしかし、しばらく無名の萌えゲーから離れていた私としては、この感じは実に久しいものであったし、評価する上でも要求課題をきちんとこなしているという点で減点することはない。メーカーが処女作としては堅調な作品で打って出たということで、ライバルは多いながらもこの路線で勝負するというメッセージとして捉えられる。
個人的には、どこか遠い世界の出来事のように感じられて、あまり好きではない世界観ではあるが、評価する上で私情は極力排除すべきなので、この点に対して意見するのはやめにしようと思う。



1月3日(日)08:22 | トラックバック(2) | コメント(1) | 趣味 | 管理


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