sense off 真壁椎子シナリオ |
|
| このシナリオには最大級の賞賛の言葉を送る。
この作品については堂々と言える。「エロゲは文学である」と。
絶賛の言葉しか浮かばない。 本当に素晴らしい作品に出会ったとき、出てくる言葉はほとんど皆無である。
あまりにも崇高な作品。 これの素晴らしさが分からなければ、その人にとってエロゲは一生エロゲ止まりである。
エロゲをプレイして一人身の自分を呪うか、幻想の世界に生きるか、はたまた人生の糧を得られるかは人それぞれであろう。しかしこの作品の特にこのシナリオについては、数学を学び、それを利用しなければならない立場の私としては非常に身近な概念や倫理観が高密度で描かれている。これは完全に内容がエロゲの域を越えていると言えるとともに、ある意味ではこの作品自体が学問と言っても差し支えないだろう。
これだけのシナリオを描けるライターが何故メジャーなタイトルを発表できないのか?
簡単である。内容が洗練されすぎているのだ。それゆえシナリオ中における知識量は膨大なものとなっている。つまり「考える」ことで初めて始まる作品であるわけだ。だから内容の単純化が進むこの業界では成功しない。しかし一方では、ライター自信に熱狂的なファンがつくほどの実力の持ち主として名は知られている。
数学は美しい。この世の全てを数で説明できるのだとしたら、我々は神に近づくという愚行を犯しているのではないだろうか。 机上で行われる数学のほとんどは、我々の倫理や精神体系を数式で説明するものである。「∞(無限大)」という記号は、すなわち「分からない」という意味である。つまり我々に「∞」の世界は見えない。 このあたりの哲学的解釈は実際にこのシナリオをプレイしていただきたいのだが、もし私が神であるならば、全てを知ろうとする人間を罰する。それができるのは私だけなのだから。
この時点で超名作。個人的に後世に残しておきたいゲームのベスト10には軽く入ってくる作品であることは間違いない。
| |
|
4月19日(木)01:18 | トラックバック(0) | コメント(1) | 趣味 | 管理
|