桜の季節 |
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| 普通「桜」といえばそろそろ終わりの季節だろう。 しかし私の住む土地からすると今やっと咲き始めたところである。
実はこの「桜」というアイテムは、エロゲにおいても非常に重要な役割を持つ場合が多い。 古くはサクラ大戦やときメモといったギャルゲの流れを汲む設定であるのだが、To Heartでこれが用いられて以来、春という季節はエロゲでシナリオを作りやすい季節としても一般化したといえる。
先日、友人の家でひだまりスケッチなるアニメを見た。漫画としてはそれなりに聞くに及んでいて、その絵も見覚えがあるのだが、これがどうも元ねこねこスタッフの某原画師の描いてる絵に見えてしょうがないのである。 この私が見ても明らかに似てるというのだから、果たして予想するところが本当かどうかを確認するしかない。
私の予感は正しかった。
それはもうねこOHPでお世話になったわけで、諸葛僅は本当に見事であった。まさかあのノリがそのまま漫画になっているというのか。私は本屋へ走った。
田舎に住んでいるとこういう時に格差を感じる。
元々あまりエロゲに向くような画風ではなかったように思うのだが、直接的な性的要素のない漫画業界では上手くやっていけることを信じたい。彼の絵は決して嫌いではなかったのだが、ねこには既に大物原画師が一人いたわけで、そういった面でやや不遇な評価を当時は受けていたものである。 彼の経歴は知らないが、おそらく今描いている漫画が商業誌としての処女作ではないか。そうでなければ当時のねこスレは騒然となっていたはずである。いや、これでも十分話題とはなっていたが。
あの日、ねこを去った多くのスタッフが、今こうして新たな道を歩んでいる。私はこの季節に彼と再会できたことを嬉しく思う。 エロゲの原画を担当していたということは、当時の彼はまだまだ駆け出しのひよっこだったのだろう。その時の努力が今こうして花開いたのである。まるで学び屋を去っていった教え子たちに再会したかのようなこの感情は一体なんなのだろう、感動の念を隠し得ない。
中身はどうやらあずまんが大王と同じようなゆるめのギャク漫画であるようだが、アニメを見る限りでは原作以上に視覚効果に大きな特徴のある作品にこれが仕上がっているはずである。これは原作を読んでいない私でもわかるぐらいにアニメが先鋭的である。 現代美術的な視覚効果を取り入れたことが昨今のアニヲタにどのように評価されたかは私の知るところではないが、人間を一色で描くという非常に抽象的な表現はこれまでのアニメでは(少なくとも私の知る限りでは)無かったものではないのだろうか。その断片的な表現だけで人間には事足りるのであると言わんばかりの作画に、私はこのアニメをいくらか高く評価する。もっとも、まだ二話までしか見ていないのだが。
第二話の夏祭りのシーンは特に素晴らしい出来。 ここのシーンの背景は特に評価する。上で「人間を一色で描く」と書いているが、これはこのシーンの評価からくるものである。 また全体的に対抗色の使用はなるべく避けるような方針で制作していることは素人の私にも一目瞭然であり、色彩の認識に関する心理的な効果など、きちんと美術を学んだスタッフが参加していることを伺わせる。
この季節にこの出会いは奇跡的としか言いようが無い。
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4月26日(木)01:39 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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