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エロゲと英語のブログ
 


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レイストーム

個人的STGの原点

東方文化華やかりし今日この頃であるが、以前から言うように、私のSTGプレイ歴の原点はこの作品にある。
今は派遣として一躍時の人となっている我が弟とプレイしたTHE ダブルシューティングとの出会いは、中学三年も後半に差し掛かろうという頃合であったと記憶しているが、なんとPC移植版があると今更ながらに聞き及び、密林の奥深くまで探索してまで入手したことは言うまでもない。
実はこれ以前よりレイストームという作品とACで出会ってはいたのだが、それは今は亡きデパートの最上階にあったゲームコーナーでのことである。記憶によれば、当時まだ小学生であったことは間違いなく、祖父や祖母と買い物に出かけた際の思い出と同居している。
とあるゲームショップで再びレイストームと合間見えた瞬間の私の気持ちの高ぶりは言うまでもないだろう。今こうして再びその高ぶりに出会えたことに喜びの念を隠し得ない。

移植度は決して高くない

まず、いくつかの点で残念だったことを先に述べなければならない。何故なら私はあの頃と同じ感覚でレイストームをプレイできると思っていたからだ。
画面のシャギーはPCゲームである以上は避けて通れない道であるのか、更に時折起こる処理落ちからの復帰での動作の不整合さである。
環境に慣れるまでにそれなりの時間を要したが、それ以上にやはり抜群の世界観とBGMの素晴らしさは語りつくせないほどである。その完成度の高さは各種動画サイトにおいてプレイ動画で確認できるであろうから、各自で探して頂きたい。

「弾幕」ではないSTGの魅力

東方からSTGをプレイし始めた者の多くは、STGの本当の面白さという点については、やや経験不足であると言える。弾幕と言われるギミックを組み込んだ作品の歴史は比較的浅く、黎明期の作品からすれば、やはり「シューティング」の名が示すように、敵を打ち落とすことこそがシューティングゲームの原点である。
敵を打ち落とすゲームであった経緯から、シューティングの楽しみ方の第一はいかに効率的に敵を打ち落とすかであって、インベーダーまで遡れば、例えばいわゆるナゴヤ打ちと言うような高等テクニックがこの当時から登場している。実のところ、敵は簡単に倒せるというのが前提条件で、その上でいかに美しく攻略できるかを競うのがSTGの本来の在り方である。その道筋から逸れることがすなわちミスであり、新たな道筋を発見することこそSTGプレイヤーのステイタスである。
東方を含む弾幕系のSTGの場合、敵を倒すという魅力が弾を避けるという全く別のものに変わっている点で楽しみ方に変化が生じている。得点加算条件も、敵を倒すほど良いというものから、弾を避けるほど良いに変化しており、そういった意味ではすなわち極力敵を倒さないほど良いという、本来のベクトルとは全く逆のベクトルを示していると言う点で非常に興味深い。しかしながら、プレイ時の目的としてはやはり高得点を狙うこと、更に高度なテクニックを新たに開発することと、その実内容に変化は無いというのもまた非常に興味深い点である。

古典的STGからの系譜を持つ作品をプレイしてみたい方は、是非この作品をお奨めしたい。



1月29日(木)22:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

リトルバスターズ! 3  能美 クドリャフカ

2009年ファーストインパクト

リトバス製作者並びに関係者各位に大して最大の敬意と賞賛を。
私のエロゲレビューに明確な点数評価というものは存在しないが、点数を付けるならばこのシナリオは最高またはそれに順ずる評価となるだろうか。このシナリオを評価できなくて何を評価するというのか。
私はクドリャフカの努力を心から応援する。過去これまでに頑張ってほしいと思えるヒロインがいただろうか。脳内お花畑なヒロイン達で繰り広げられた青春野球物語は、ついに世界の心理へと近づきつつある。

野球物語に相応しく、実に直球勝負なシナリオと思われた。
ヒロインの名前をクドリャフカとしておいて、吠えない犬に意味はあるんでしょうかという展開が予想された。
期待はあまりにも容易に打ち砕かれた。
翼は無くとも、いや、翼が無いからこそ、人は飛ばなくていいのである。飛ばなくてもいいからこそ、人は飛ぼうとするのだ。
彼女は空の彼方に何を見たのだろう。少なくとも、私は見たことがある。星空を煌く、一筋の流れ星を。
子供心に、少年は思ったものだ。宇宙まで行って流れ星の残骸を持って帰れば、流れ星はずっと消えないから、少なくともひとつは絶対に願いが叶うのではないかと。
小二の時分、プラネタリウムへ足繁く通ったことは今でも新しい。宇宙への夢を語る者は皆純粋な心の持ち主であると、私は今でもそう固く信じて止まない。

やはりkeyであるということ

作品全体がAIRのようなコンセプトを持っていなかったことに逆に感謝する。さて、客観的にこのシナリオを見ると、これはやや技巧的なシナリオ構成もいくらか見られるが、鎖からの開放により実に分かりやすい解答が提示されている。しかし、何故そのようになった(できた)のかという疑問は残り、これはいわゆるリフレインで明かされることになるだろう。
このシナリオの理解への第一歩はまさにヒロインへの愛着に尽きる。単に意味も無くあんな純粋無垢なヒロインが用意されているわけではなく、これらは全てその「純粋さ」がシナリオ後半で感動への要素として用いられる。もちろんこの要素も上手に描写していかなければならないわけだが、keyの中心ライターはとにかく「もうゴールしてもいいよね?」までの展開が国宝級のレベルなのであって、ゴールしてもいいか悪いかを決められるのがプレイヤーである以上は、常にヒロインへの愛着がシナリオの印象に与える影響は大きい。
このヒロインの特殊性について目を向ければ、一人だけマントという特別アイテムが与えられ、しかもハーフでロリキャラという上がりへの特急券すら有している。それだけプレイヤーの期待度は高くなるシナリオであったわけだが、ロリキャラとして想定される単なる甘えキャラとしてでなく、あらゆる行動について悩み、一人で動くことができながらも、どこかおぼつかない行動をとる部分で、多くのプレイヤーからしてみるとどうしても気になるヒロインとして確立しているわけだ。
CLANNADにおける某シナリオと同じ流れを汲んでいるが、後半のヒロインの心境の変化を多く捉えたクドリャフカのシナリオと某シナリオではプレイヤーへの見え方も違ってくる。もしED後に笑顔を見せているクドリャフカがイメージできたならば、あなたにとってもこのシナリオは印象に残ったシナリオのひとつになっていることだろう。



1月22日(木)03:00 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

ReNN ~Another Story of WORKS DOLL~

まさかの10時間連続プレイ

まずこの世界観だ。FF7攻殻機動隊などで見られる、格差のある社会構造とそれに伴う少々の荒廃をみせる都市デザインは見事に私の心を捉えた。
次にヒロインとなるれんのキャラ設定も、ワンダープロジェクトJ2を完クリするレベルの私にとってこの上ないものである。
更に言えば、エロゲとは思えないキャラデザインもその実、世界観に素晴らしくマッチしており、私に良作レベルの人型ロボット育成ゲーを期待させるにはあまりにも十分すぎる。
どこから話すべきか迷うところであるが、ひとまずは個人的良作ということを先に述べておこう。残念ながら万人向けの作品ではなく、更にシナリオの進行も遅々として単純である上に非常に長く、育成要素も単純な内容であり、難易度も最高のEDを見るまでに時間がかかるという意味で比較的高い。すなわち究極に近い作業ゲーであり、冷静に評価すると残念ながら凡作と言わざるを得ない。いかにこの作業に没頭できるかが勝負であると同時に、それを為すためにはこの素晴らしい世界観を容認する必要がある。プレイしたい作品が別にある場合には、先にそちらの作品のプレイをすべきであることは間違いない。

またもTOPCATにしてやられた事実

さて、シナリオ上では人型ロボ系キャラのれんを育成するという名目があるわけだが、実際にすべき仕事はひたすらの金稼ぎである。では、主人公のそのような姿を見たれんは何を彼から学んだのだろうか。しかしながらここでは、人型ロボットといっても初期はキチガイのような行動をとるわけではなく、ある程度人間としての教養や会話を身につけている。更に心を持っているという点では非常に人間に近いロボのようなものと捉えるべきであろう。作品中では「亜人形」と称される。実によくできた表現である。なぜあの人は私に優しくしてくれたんだろうと思いましたという台詞が序盤で飛び出すところで、単に人型ロボット育成ゲーと見ても、ワンダープロジェクト系のような作品とは別のベクトルを持っていることが分かる。いや、ある意味では人間的に進化したギジンを育てるワンダープロジェクトとも言える。
勝手に行動して物事を理解できるロボという解釈によって初めてこの作品は成立する。主人公は貧乏であり、態々教育のために構ってやれる時間が無いというあたりが極めて現実的である。無い時間をどうにか作ってエロゲをプレイしている我々(一部そうでない人もいるが)がゲーム中でも同じことに悩むとはなんともTOPCATしてやったりなわけである。

ロボットの目を通して我々は何を見るか

とにかくこの作品のシナリオとしては、ヒロインと主人公とのイベントがほとんど描写されず、結果的にライターが書きたかった内容がプレイヤーに伝わりにくくなっているという部分が大きな欠点となっている。他にルートが用意されているわけでもなく、ただ特定の作業だけを繰り返す必要のある作業ゲーにおいて、その作業に対して、ヒロインへの愛着が湧きにくいというのは、プレイヤーとしては非常に辛いものがあることは間違いない。



1月19日(月)19:40 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

エロゲの件

http://www.typemoon.com/product/next/gw.html

何故ライアーで出ない
型月のOHP自体が約一年ぶりの訪問となったが、残り二作品についてはさておいて、この作品はあまりに問題であろう。作品を手がけるシナリオライター陣は何やら覚えのある面々であったが、やはりそういうことであったようだ。
腐り姫は我が定期放送においてその都度お世話になっているが、彼の持つクセは果たして型月で通用するだろうか。腐り姫Forestを見る限りでは混ざり合わない絵の具のような世界観を構築するが、それは確かに月姫を鑑みれば、型月得意のファンタジーに合うような気もする。しかし某きのこ氏ほどチートと呼ぶに相応しい盛り上がりを作中で表現するのが得意なライターかと言えば微妙なところでもある。

それにしても背景の完成度が抜群に高い。最近の作品はどれもこの点で著しい成長を見せているので、他の作品と比べなければはっきりとしたことは言えないが、ここしばらく第一線から離れていた私からしてみると、とにかく見栄えは良い。
型月は世界観(背景)にボカシを入れないので、腐り姫と比べたときに、それがどの程度影響するかは注目すべき点のひとつであろう。SEVEN-BRIDGEは未プレイであるが、それが非常に悔やまれるところだ。

コットンは前作に続けるか

コットンの新作についても言及しなくてはならない。前作のナギサのは比較的高く評価しているが、それもやはりねこねこ時代からのスタッフにより完成されたシナリオが光っているからこそであって、何かしらの「コットンらしさ」がもうひとつ欲しいところである。やはりねこねこからぽんこつを取り除いたラムネしか作れていないとしか言えないところからいかに成長するかだが、意欲作であったレコンキスタと同じ方向性はもう見限ったのだろうか。今一度同じ轍を踏む覚悟を持っていたのなら、私はこの時点で高く評価しているのだが、OHPを見てどことなくぱれっとと同じ香りを感じてしまったのは私だけであろうか。
あらすじを見る限りでは、メリハリが重要になるシナリオである。ルート分岐よりも縦に章分けしてほぼ一本道にしたほうが構成上スマートにも思うのだが、そこは発売を待つとしよう。



1月16日(金)05:51 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

韓国への片道切符

英語の単位が崖っぷちとなる

いよいよ現状も煮詰まってきたと考えるべきであろう。今年の夏までは外国語の単位をノーミスでクリアできなければ、私は韓国に飛ばされなくて済むということになる。しかし企業研修に行かないという選択肢はあって無いようなものと考えなくてはならないのがこの社会というものである。例えば韓国で徴兵を拒否した成人が自国で大きい顔をできないことに似る。

新年一発目エロゲ

エロゲはいい。疲れた心を癒してくれる。
原点に戻ってこれる安心感。それが常に手元にあることはなんと素晴らしいことだろう。
しばらくプレイ中断していたリトバスであるが、本日より時が再び動き出した。目下のところ残り三人+最終シナリオといったところだろうか。



終了段階でのレビューを待たれたい。



1月13日(火)23:50 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

あけましておめでとうございます

一年の終わり

2008年は終わった。
2008年最後の日は、宇都宮に住む友人の家で過ごした。
〆張鶴の吟醸、大変美味しゅう御座いました。

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一度決めたらただ自分の道を
ひたすら行け 迷うこともあるかもしれないが
その先には壮大な希望と
それ以上の不安きっと心にあるだろう

自信をなくしてしまう時には
始めた頃の気持ち思い出して
Don't let it go.
引き返す道はない
自分の力を信じて
行くしかないのさ 全てをかけてでも
あきらめるなんてことは
死んだ時にでもすればいい
その日が来るまで Never ever let it go!


Title : Don't let it go
Name : ウッチーズ

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そして波乱の幕開けへ

コミケの話はさておき、年越し後の第一ラウンドは1月2日、埼玉の大宮近郊で勃発した。

http://www.kenshokai.or.jp/index.htm

ある程度の予測はできていたが、この部分では私の好奇心が勝った。宗教勧誘員の出現は常にランダムであり、しかも他に時間を使いたいときに限って現れる。
今回も早々に秋葉原へ向かい自分への一年のご褒美(笑)にHDDを漁る予定だったのだが、それは私がラーメン二郎大宮店を訪れようと大宮駅で途中下車したときに起こった。正しくは既に車内で声はかけられていたのだが、私が時刻表を読んでいたのがまずかったのか、とにかく鉄道関係の話題で私に話しかけられた。

「一緒に飯食わないか?」

この時点である程度予測できるようになると派遣社員でも世間を渡っていけるのではないだろうかと私は思うのだが、ここに経るまでの過程で既に趣味の近い者同士で感じるべきシンパシー彼から感じ得なかったことが今回の場合におけるこれの裏付けとなっている。何故彼は鉄道の話題ではなく地方の生活の話をするのだろうか。墓穴を掘らないように必死で話題を探したのだろうが、ここであえて行動を共にすることを選択する私も私である。

新興宗教とはどんなものなのだろうか。
内部では何が行われているのか。
何故彼らはそのような宗教を信仰するのか。

皆が思うことである。宗教勧誘も何度か経験したうえで、ここで確実に言えることは、何もかも体験してみなくてはわからないだろうということだ。年も無事越すことができたわけだし、ここらで一発奮起して裏側を覗いてみようというわけだ。
この行為の危険性は言うまでも無い。いざという時に逃げるという選択肢を奪われることの意味は、戦争時におけるそれと同等と言っても過言ではない。事実、私はこの一日の中でわけのわからない書類に名前を書かされる直前までいっている。

宗教とはいかなるものでも偉大である

さて、その後の過程の詳細は後々ラジオで語るとして、最終的にはなんと彼らの総本部が近くにあるということでそこへ連れて行かれた。もちろんこれはあくまで任意同行であるということを付け加えておこう。
私はその先が見たかった。扉の一つ奥からは何やら怪しげなお経が聞こえてくる。しかしここから先は関係者以外は立ち入ることができない。これは宗教としてある意味納得せざるを得ないが、この日の私はここで更に一歩前に出ることにした。

「信じられるだけの確証が得られるような証拠が欲しい」

これは遠まわしに言えば「中を見せろ」という意味なのだが、こういうときの彼らの言い訳は定式化している。
「歴史から見て明らかだ」
実はここからが長い話で、この後私は完全に彼ら勧誘員の前に屈することになる。議論という意味で。もう完膚なきまでの敗北である。さすが本部の勧誘員だ。こちらの意見をものともしない決め付けとかそういうレベルではないのだ。彼らにとっては万物が既に決まっているのであって、私のような屑が生半可な態度で挑むこと自体が間違っていた。
最終的には、私は完全に言い返すことのできない状態だった。これが企業間での出来事ならば完全に私は彼らの奴隷にならざるを得なかっただろう。とにかくこちらから頭を下げた。しかしそれでもだめだった
彼らは「強制ではない」と言う。私はここで「ならば帰らせてくれ」と言うほど幼稚な大人に育ってはいないし、議論の場で頭に血を上らせるほど低俗なことはないことも知っている。「どのような信念を以って行動するかは個人の自由ではないのですか?」と聞き返すも、その考え自体が浅はかであることをさも当然であるかのように告げる。
私には強敵すぎた。こうなってしまってはもうどうにかして逃げることを考える他無い。それにしても、この部分では当時の私は非常に冴えていた。話を聞きつつも手元で友人の携帯に1コール。これによる着信を利用して距離を取り「帰ります」発言。その後は聞く耳を持たないふりをして逃げる。この作戦は見事に成功した。

そして今の私があるわけだが、正月早々もの凄い経験をしてしまった。今年一年が実に楽しみである。



1月4日(日)01:39 | トラックバック(0) | コメント(1) | 趣味 | 管理

今年一年の総括

まだ締めくくるには早い

言うまでも無い。出陣である。
参戦は三日目のみであるが、逸れに伴う明日の移動日とも言うべき一日の予定を以下に記す。

長岡1032→水上1238 1374M
水上1245→高崎1349 740M
高崎1403→横川1437 139M
横川1456→高崎1527 148M
高崎1601→高麗川1721 240D
高麗川1723→川越1749 1671E
川越1752→大宮1805 1740S
大宮1807→上野1835 954M
上野1848→我孫子1927 1443M
我孫子1956→上野2031 1450M
上野→秋葉原 山手線

どのような目的があって寄り道しているかは、沿線住民ならば十分に理解できよう。


今年は一年の締めの言葉など特に必要あるまい。来年こそ一挙朗読の完遂を願いたいものだ。



12月29日(月)00:31 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

とみ☆おか ~白濁まみれの精子場~

何でも実況V大学で話題になった例のものの件について一部。



私達の身の回りに存在するプラスチック、繊維、ゴムなどは全て高分子(ポリマー)と呼ばれる物質で構成されている。
高分子は分子量がおおよそ一万以上の分子のことをいい、その実、明確な定義は存在しないが、総じて「大きな分子」を示すことに違いは無い。
そういった意味では、我々の体も高分子に溢れている。人体を構成するタンパク質はその最たるもので、精子と卵子が出逢って新たな生命が誕生するまでの過程も、ある意味では高分子反応の一種であるといえる。

201X年:富丘製糸場の世界遺産登録。
202X年:雇用計画の一環により、製糸場の再稼動開始。
202X年:絹糸のブランド化に伴う、作業員の女性優先雇用化。
203X年:事実上、作業員は女性のみとなる。

その光景はまるで中学校の歴史科目の教科書にある色鮮やかな浮世絵のようだと彼は思う。
むせ返るような湿気の奥にある大きな機械に向かい続ける女性達に、ああ、日本はこういう女性に支えられているんだなと再認識させられる。

「天然種の養蚕により生み出される絹糸の美しさは、化学的に合成される擬似繊維に比べ非常に光沢に優れ、今では世界シェアの80%がこの製糸場で生産されています。」

機械的なガイドの声に耳を傾けながら、傍の一人の従業員・・・いや、女給と言うべきか、彼女の作業籠を覗き込んだ。
回転車に紡がれる一本の線。それは窓から差し込む光に反射して、まるで銀の糸のように見えた。

・・・この輝きさえ出せれば・・・

「がよぅ・・・大学出たんだばわぁ迎えに来ねばよぅ、わもそったに長く待てねんだすけな・・・」

18世紀は数学の時代。
19世紀は化学の時代。
20世紀は物理の時代。
21世紀は大方の予想通り、生物の時代となった。
早く、自分の故郷を、いやせめて自分の家族だけでも楽して暮らせるだけの仕事をしないと。
完全合成絹糸の完成ももうすぐそこまで来ている。この技術さえ完成させれば、起業して、地元に大きな工場を建てて・・・・・・

もう10年も前の話だ。年頃の女の10年はあまりにも永い。私のことなど忘れて幸せになっていてほしい。忘れたつもりでいたのだが、しかしなぜだろう、最近になって、よく昔のことを思い出してしまう。
私より3つ年下の彼女。家が近所だったこともあって、小さい頃からよく子守させられた女の子。
私は自分の夢を選んだ。将来の夢。
それは小学校の頃だった。母の日のプレゼントに、私は絹でできたハンカチを母にプレゼントしようと思ったが、一番高い絹のハンカチはとてもじゃないが浪費家の子供の小遣いでは手が届かなかった。
子供心なりに、母には美しくあってほしかったのだと思う。当時一番似合うと思ったそれを手に入れられなかったことは、相当悔しかった。
安価な絹糸を。子供でも買える、安価な絹糸を。
それが俺の夢。そして、その代償として、目の前にあった幸せを手放した。

「生きている蚕を。」
「はい、こちらです。」
湯気の立ち上る作業籠から顔を上げ、再び入り口へ戻ろうという時だった。

ドン!!!
背中に受けた大きな衝撃。私は思わずよろめいた。
「・・・ばががおめ・・・早ぐ気付げじゃ・・・」
懐かしい声色。
思わず振り向き、立ち尽くしてしまった。
「いづまでもわがねふりすんなじゃ・・・」
防菌マスクを外した向こう側にあった顔。あれから10年が経ったが、私には間違える自身すら無かった。
なぜなら、あまりにもその風貌に変化が無かったから。
「まさか・・・聖香(せいか)・・・か?」
彼女は作業席を立ち、そして私の目の前に立った。

パンッ

私の頬への平手打ちは、僅かな痛みと大きな桑の葉の味がした。



12月16日(火)22:55 | トラックバック(0) | コメント(1) | 趣味 | 管理

リアル関連

俺はまだ死にたくない

さて、工学系学部にもインターンシップというものがあるのだが、要は在学中に企業で働くという一種の派遣のようなものである。理系特に工学部の場合は製造業との関連性が強く、大企業やその子会社に派遣された場合、長くて半年以上もの外国生活を楽しめる場合がある。私が聞き及んだ限りではアメリカ、メキシコ、マレーシア、中国、インドと、基本的には人件費の安い国に工場を設置していることに起因するであろう国々への派遣が行われている。すなわち、私にもその可能性があるわけだ。
ここで心配になるのは当然、我々は何処へ行くのかという問題である。来年の夏休みが終わる頃には我々のインターンシップも始まるわけで、このあたりは研究室の教授にも我々からプレッシャーをかけることしばしであったのだが、ついにその返答があった。

先に結論から述べれば、私はまだ死にたくない
研究室内でもこれをこなせるのは私一人だけという判断か。まったく友情というものを疑うばかりである。これが既に決定事項であったならば、私は今頃覚悟を決める必要があったのだろう。もしくは、あえて必修単位を落とすことで、インターンシップを回避する荒業もある。まだ時間はあるうえに、私としてはもちろん外国という選択肢は願ったりだが、このタブーに触れることは、いやむしろ研究室にとって、ひいては日本国民にとって少ない犠牲により多くの利益を生むという面では正しいのかもしれない。

教授「韓国どうよ?」

生きて帰ってこれるか、まずそれが問題だ。今までネタにしか感じていなかった数々の珍事も、こう身近な状況になってはあまりにも笑えない。
一週間やそこらの旅行とはわけが違う。確かにこれでは神経の図太い私に話が回ってくるのも当然だ。私は常々外国への派遣を所望してはいたが、予想を超える100点満点の返答に今は歓喜せざるを得ない。
今はただ刻一刻とこの話題の進展を待つばかりである。

一般的にはアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、更に北欧等の先進国が生活面、言語面でもベストだろう。私の場合は日本人のいない環境こそベストとして、東欧や南アメリカが理想的だった。サウジアラビアやイラン等のイスラム諸国でも何ら問題は無い。むしろイスラム教を知って現地民とも仲良くしたいと思うし、石油産出国であれば生活にも苦労しないだろう。東南アジアもとにかく色んな誘惑が私に暇を与えてはくれないだろう。しかし特定の諸国とはなんということか。

今は妙に落ち着いている

普通であれば猛反発するところだが、そのときの私は妙に落ち着いていた。誰かがいずれ行かなければならないのならば、私以外の誰が行けるというのか。虫の湧いたキムチを食べ、醤油味の何かを何とも思わずに食べる私を、多くの者は期待しているに違いない。ここはむしろ自ら進んで行くべきだろう。
いずれはこのblogもかの国から更新することになるのだろうか。そうなるとここに足を運ぶ人も増えるだろうか。



明日から北斗神拳を身につけなければならないだろう。



12月10日(水)04:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

リトスバスターズ!  2 西園美魚

「keyらしさ」とは何か

シナリオのテンポはまさにkeyそのものであって、不自然なキャラボイスの存在と謎のキャラデザインを除けば、その懐かしさに郷愁を感じざるを得ない。そう、やはり私はkeyの作品をプレイしているのだと思える安心感を古参プレイヤーに提供できた部分でこのシナリオの評価(ファンとしての)は高い。しかしながらAIR以降は特にメインシナリオ偏重が顕著であるから、CLANNADにおける智代ことみ風子のような立ち位置が与えられているように感じられる。についてはさておき、これを新規のライターが書いているならば、相当keyの作風を学んでいることに他ならない。それを大きく感じられる部分としては、シナリオ分岐後、結末前における冗長性がまず挙げられる。物語が一旦「日常」に回帰し、それ以前の出来事に対しての違和感から主人公が行動を起こす様はまさに月宮あゆ伊吹風子のシナリオと同様のギミックである。多くのファンはその度にを目から流し、価格以上の価値をそこに見出した。
また古参のファンであれば、このシナリオにえいえんのせかいに近い何かを感じざるを得ない。個性の強いあゆ風子とは異なり、このヒロインの個性は強く制限され、ここでは同時に、多くのプレイヤーの期待を裏切るkeyらしくない絵師の登用が見事にプレイヤーの関心を削ぐことに成功し、その存在の「儚さ」を見事に表現せしめている。ヒロインの強い個性は「存在」の先にある「想い」や「願い」を表現したが、今回は「存在」というそれ自体に着目したというわけである。そのために、このシナリオの結末はなんともあっけらかんとしたものであって、これはONEに近い印象を与えるが、国宝レベルの作品と比べることもないだろう。もちろん、これを上回ることなどできるわけもないのだが。

旧作との重なり

空の青さ、更に透明さ広大さを連想させる要素は私にとって大好物であるので、多少なり評価は高めになることを予め断っておきたい。
既にプレイされた方ならばAIRとの世界観の類似点や、ONEに似た発想がシナリオに含まれていることは、プレイ段階で既にお気づきになられたことだろう。もしかしたらこのシナリオの構想自体は非常に古くからあったものかもしれない。私としては、最高でAIR以前から既にあったものと予想しているが、というのも、似たような性格を持つヒロインが必ず作中に登場してきたからである。ただ、中心となるシナリオとは上手く結び付けられなかったとか、プロットまで構想が形を帯びてこなかったとかの様々な理由がそこにあったものと思われる。AIRでは、あの名シーンで知られる遠野美凪が排出され、CLANNADでは一ノ瀬ことみにお株を奪われた感がある。翼を持って現れた少女は別にみちるでなくてもよかったわけだし、ことみは親を失った部分でえいえんのせかいを夢想してもよかったはずである。前者はとにかく美凪が上手くいきすぎて、後者は有紀寧の存在もあって、枠が用意できなかったものと予想できる。
分岐直後段階では、私はONEに対する一種の解答めいたものの提示がライター自身から行われる予感にある種の高揚を隠し切れなかった。それはある意味では期待であって、ある意味では絶望でもあったが、今回のそれは、えいえんのせかいほど遠い世界ではなかったようだ。理由はそのままこのシナリオの帰着点であるから、皆様自身で確認していただくとして、何より最後のCGについては言及すべきだろう。私がこのシナリオを高く評価するのは、この最後の一枚に起因するところが大きい。廻り廻って、再びkeyの原点に回帰したこの瞬間に涙腺崩壊したのは私だけではないだろう。この感動は作品そのものの感動とはやや異なるため純粋な評価には含めないことが望ましいが、それでもあのCGにはある種の製作者側の意図を感じずにはいられない。
思えば、長森瑞佳はとても一途なヒロインだった。最後の最後まで折原浩平と共にいることを望んだ。いよいよ旅立とうとする浩平が消え行く瞬間を今でも克明に思い出せるプレイヤーはどれだけいるだろう。その瞬間に対する逆の返答だとも言いたいのだろうか。

若山牧水は私の専門ではない。



12月3日(水)02:51 | トラックバック(0) | コメント(1) | 趣味 | 管理


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