| 放射線のロマン |
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| 放射線は宇宙の起源にも関わりがある。
この話をする前には、放射性核種と呼ばれる一連の同位体元素に関する知識が必要となる。これは前期量子論から発達した放射線物理学により研究され、そこから生まれた素粒子物理学が現在この分野をリードしている。ノーベル物理学賞を受賞した小柴氏は、この分野の第一人者としての功績を評価され、また彼の開拓したニュートリノ天文学は現在日本が世界をリードする研究分野の一つでもある。宇宙から降り注ぐ放射線(宇宙線)を捉えて遠くの星を観測し、宇宙の起源を探ろうという取り組み自体は古くから行われている。 このように考えると、実は日本の放射線に関する知識は世界の中でもトップクラスのものであることが伺える。どこかの政治学者が、日本は核弾頭を作ろうと思えばすぐに作れると発言し物議を醸したのは有名な話ではあるが、確かに研究量だけを鑑みると、この発言も甚だ嘘ではないように思えてくる。ただし実際には、より効率の良い弾頭を開発するためには、皆の想像するような核実験を行わなければならないため、分野は違え研究の現場を知る者の意見としては、本気で取り組んでも2年はかかるのではないかと考える。
放射線を放出する原子は、放射線を放出しながら原子崩壊する。例えば、有名な放射線元素であるウラン(同位体が存在)は、最終的には原子崩壊して鉛になる。 ここで考えて欲しいのは、どちらも一種の元素であるということである。原子が結びついて化合物ができるのは誰でも知っていることで、これの組み合わせにより様々な物質が作られる。化合物を構成する原子は変化しないのが大前提であるべきものが、ここでは鉛に変化(U→Pb)している。原子量が減少しているので、当然1molあたりの質量も少なくなる。それでは、この減少分の質量はどこに消えたのか?
この問題は早い段階で解決された。用語ではα崩壊、β崩壊と呼ばれているが、つまり原子核から電子(e)が飛び出したり、ヘリウム原子(He)となって一部の素粒子が段階的に分裂していくのだ。この過程で、放射性原子の多くは大量のエネルギーを放出する。これが放射線である。 次に、この原子崩壊が起こるスピードを考える。これはよく半減期という言葉で表されるが、これが長いほどゆっくりと崩壊が進むことになる。
極端だが、原子の誕生は宇宙の誕生とほぼ同時である。ここで誕生した放射性原子の中で半減期のごく短かったものは、現在の宇宙空間には存在しないことになるが、これらが発した放射線などの電磁波はどうだろうか。これが観測できれば、宇宙の起源を調べるにあたっては大きな手がかりとなることは間違いない。同時に、放射線を発する星の観測を通して、その星の成り立ちや現在の状況を推察することもできる。
例えば、地球の年齢は現在約46億歳といわれる。これを計算できたのも、地質学的な研究の他に、地球上に存在する放射性原子の量やその性質を、この研究に利用できたためである。余談であるが、過去地球に存在したと言われた元素の中で、現在は存在しない(無いに等しい)元素もあることがわかっている。また、これらの一部は、ある種の巨大な装置を利用すると、人工的に作り出すことが可能である。これらは超ウラン元素と呼ばれ、周期表上ではウラン(U)より上位の元素がほぼこれに当たる。
中学の理科の教科書でも開いていただいて、少しばかりロマンの世界に浸るのもいいだろう。
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9月22日(土)14:38 | コメント(0) | 趣味 | 管理
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