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2008年4月27日を表示

ナギサの 2  柳生あおいシナリオ

あなたはヒギンズ教授にでもなられるおつもりか

非常に歪な設定をされたヒロインである。確かに新しい設定は出尽くした感があり、これからはその組み合わせによるところが大きいわけだが、この組み合わせは実に難しい組み合わせを選んだものだ。いわゆる昨今言われるようなツンデレに対して家事上手と庶民的な家庭環境をプラスし、そこに金髪というキャラデザインを用意したことはかなりの挑戦と思える。
おそらくこのヒロインはシナリオプロットが初期の段階からあったヒロインの一人だろう。そうでなければ、あのようなキャラデザインは考えにくい。自然なところを目指すのであれば黒髪ショートで胸は小さめに設定すべきであろう。あえてそれをしなかったのは、個別シナリオで彼女の成長が描かれていくなかで、最終的に最も絵になる、逆に言えばわざと序盤のプレイでプレイヤーに違和感を感じさせるような設定にする必要があったためである。後から黒髪のヒロインが追加されたところも大きいだろう。
田舎の漁師町を舞台にした作品ということで、漁師を親に持つヒロインとしては男勝りで気が強く、負けん気が強いという設定がベストと思われる。それに萌えを追加して一捻り加えたのがこのヒロインなわけだが、個別シナリオをプレイしていくと、ヒロインの成長過程においてはこの口調も正解に思われるが、やや乱暴なだけに感じられる部分が大きい。もう少し性格的な部分で「田舎らしさ」を表現できれば、更に魅力あるヒロインになっただろう。やや惜しいと言えるヒロインである。

できるだけ自然な流れを心がけたか

漁師業というものはその実非常に伝統があり、男性と女性の役割がはっきりとしている稼業である。やはり今でも女性はあまり船に乗らないし、魚そのものを売り捌くのも男性の仕事である。彼らは同業の者と横の繋がりを持つ世界で生きているため、非常に負けん気が強く、情に厚いところはこの作品でもそのまま描かれており、実際これは事実に沿う。しかし驚かれるかもしれないが、女性についてはこれが当てはまることはほとんど無い。それではなぜこのヒロインはこのような性格になったか。おそらく姉妹二人という子供を持つ親が、特に一人目の娘については男に負けないぐらい強い女に育てようとしたという背景がそこにあるのだろう。その中で、個別ルート分岐後に見せるこのヒロインの姿は、やはり漁師町の女性としての考え方を覗かせている。強烈に「女性」を意識させようとする後半部分のシナリオは、シナリオの起伏を意識したという点で非常に自然な流れを保ち、その部分では十分に評価できると言えるだろう。

結末を先送りする行為

この作品全体を通してのテーマは、主人公自身の「成長」こそが根幹にある。それをヒロインを通して学んでいく構成になっているわけだが、このシナリオでは更にこれを「先送りにする」という部分でメインのシナリオとの繋がりが強い。メインヒロインである夏生シナリオではそれどころか「先に進みながら暗中模索する」というかたちを取っている。前向きに検討できる人間ばかりではない。目を逸らしたからこそ、初めて分かるものもあるだろう。どちらのシナリオが面白いと思うかは人それぞれであるが、着眼点の違いを楽しめることは間違いない。
シナリオをいかに面白く見せるかについては様々な技法があるわけだが、その部分についてこのシナリオではややムラになっている部分もある。プレイヤーが最も盛り上がってほしい部分ですんなりとそのイベントが終わるというのは、ライターのプロット作成のミスなのか、それともそのような挑戦なのか、または全くそれすら考えなかったのか。

相変わらず終わらないシナリオ

まったくシナリオ序盤の問題提起をほとんど無視した終わり方である。結局何のために主人公は田舎の漁師町までやってきたというのか。しかしながら、この問題に対する答え方は2つしか無いわけで、片方を既に夏生シナリオでやっているから、確かにどう描いたところでこの結末は避けられないだろう。せめて「これが俺の答えだ」ぐらいは書いてほしいものだ。



4月27日(日)20:56 | コメント(0) | 趣味 | 管理


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