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ナルキッソス3 死神の花嫁

非常によくできているとは言い難い

無印の頃から言われているように、この作品はあくまでそう感じたままの作品である。プレイヤー自身が、このシナリオを通して何を思うかは私の知るところではない。それ故に、私はこのシナリオに対して高い評価を与えることはできない。
シナリオコンセプトはやはり無印と同じものを踏襲しており、ただ視点が異なるということ意外は、一度でも無印もしくは2をプレイされたことがある方ならばほぼ予想の付く(ヒロインの)終わり方である。しかし、この部分こそがこの作品の素晴らしいところで、描かれるキャラの立場を変えるだけで、こうまでも多種多様な捉えられ方が生まれるのだということを改めて認識させられる。それはシナリオ中で主人公が悟るのではなく、プレイヤーである我々が導き出した答えであって、その答えはまさに十人十色なのである。それを容認した上で、作品の捉え方に自由を与えた片岡氏の思考の深さには脱帽する他無い。
無印ではセツミの死と自らの死を重ねる主人公が描かれた。2もほぼそれに近いが、逆の視点が盛り込まれた点でやや理解に困難が生じた。どちらも主人公が近いうちに亡くなることが明らかなことから、ほとんどのプレイヤーが少なからず悲壮感のようなものを感じたことだろう。今回のこのシナリオは、主人公の背景に自らの死を置かないことで、生きる者が死にゆく者をどう捉えるかが思考の中心となると思われるシナリオとなっている。

やや蛇足部分の目立つシナリオ

非常に洗練された内容しか描かない、描いてはならないシリーズの作品であるため、細かい部分でやや蛇足に感じられる部分があることは否めない。具体的にどの部分が蛇足に当たるかはネタバレになるためここでは紹介できないが、基本的にシナリオは(展開上)必要と思われる必要最小限の内容とし、登場キャラも端役まで含めて最小限に留めるべきである。これは物語を描く上で昔から言われてきたセオリーである。
しかしながら、シナリオ担当は片岡氏ではないにも関わらず、ここまでナルキ独特の雰囲気を崩さずに描けたことは賞賛に値する。登場キャラの微妙な台詞回しを除いては、無印や2に合わせても特に大きな違和感は生まれない。元々キャラの感情として描かれる内容を全て省いた描き方がなされるのだから、ライターの癖も目立たなくなると言えばそうなのだが、ほぼ最後までそのルールがしっかり守られていることは、複数のライターが関わっている作品としては非常に珍しい。別名義ということでなければ、おそらく推敲には片岡氏が強く関わっていたものと思われる。

賛否両論あるであろうエピローグ

さて、これからプレイされる予定の皆様は、このシナリオのエピローグをどのように捉えるだろうか。
実はこのシナリオ、このエピローグを以ってして見事なまでの纏まりを見せている。一方で、そこまでの主人公の行動を自らが否定するとも捉えられかねない行動について描かれる。そのため、ある意味ではその前のチャプターを以ってこのシナリオの終わりとしたほうが、主人公すなわちプレイヤーとしてありのままだけを描いた作品の終わりとしては良いようにも思われる。
ナルキ独特の、統計を示すあれはエピローグにある。とにかく、このシナリオをどう捉えるかによって、エピローグの見方も大きく変わってくる。これは私個人の勝手な予想だが、ブラックジャックが好きな人は、エピローグを挿まない終わり方の方を好むと思う。



7月25日(土)21:00 | コメント(0) | 趣味 | 管理

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