| とみ☆おか ~白濁まみれの精子場~ |
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| 何でも実況V大学で話題になった例のものの件について一部。
私達の身の回りに存在するプラスチック、繊維、ゴムなどは全て高分子(ポリマー)と呼ばれる物質で構成されている。 高分子は分子量がおおよそ一万以上の分子のことをいい、その実、明確な定義は存在しないが、総じて「大きな分子」を示すことに違いは無い。 そういった意味では、我々の体も高分子に溢れている。人体を構成するタンパク質はその最たるもので、精子と卵子が出逢って新たな生命が誕生するまでの過程も、ある意味では高分子反応の一種であるといえる。
201X年:富丘製糸場の世界遺産登録。 202X年:雇用計画の一環により、製糸場の再稼動開始。 202X年:絹糸のブランド化に伴う、作業員の女性優先雇用化。 203X年:事実上、作業員は女性のみとなる。
その光景はまるで中学校の歴史科目の教科書にある色鮮やかな浮世絵のようだと彼は思う。 むせ返るような湿気の奥にある大きな機械に向かい続ける女性達に、ああ、日本はこういう女性に支えられているんだなと再認識させられる。
「天然種の養蚕により生み出される絹糸の美しさは、化学的に合成される擬似繊維に比べ非常に光沢に優れ、今では世界シェアの80%がこの製糸場で生産されています。」
機械的なガイドの声に耳を傾けながら、傍の一人の従業員・・・いや、女給と言うべきか、彼女の作業籠を覗き込んだ。 回転車に紡がれる一本の線。それは窓から差し込む光に反射して、まるで銀の糸のように見えた。
・・・この輝きさえ出せれば・・・
「がよぅ・・・大学出たんだばわぁ迎えに来ねばよぅ、わもそったに長く待てねんだすけな・・・」
18世紀は数学の時代。 19世紀は化学の時代。 20世紀は物理の時代。 21世紀は大方の予想通り、生物の時代となった。 早く、自分の故郷を、いやせめて自分の家族だけでも楽して暮らせるだけの仕事をしないと。 完全合成絹糸の完成ももうすぐそこまで来ている。この技術さえ完成させれば、起業して、地元に大きな工場を建てて・・・・・・
もう10年も前の話だ。年頃の女の10年はあまりにも永い。私のことなど忘れて幸せになっていてほしい。忘れたつもりでいたのだが、しかしなぜだろう、最近になって、よく昔のことを思い出してしまう。 私より3つ年下の彼女。家が近所だったこともあって、小さい頃からよく子守させられた女の子。 私は自分の夢を選んだ。将来の夢。 それは小学校の頃だった。母の日のプレゼントに、私は絹でできたハンカチを母にプレゼントしようと思ったが、一番高い絹のハンカチはとてもじゃないが浪費家の子供の小遣いでは手が届かなかった。 子供心なりに、母には美しくあってほしかったのだと思う。当時一番似合うと思ったそれを手に入れられなかったことは、相当悔しかった。 安価な絹糸を。子供でも買える、安価な絹糸を。 それが俺の夢。そして、その代償として、目の前にあった幸せを手放した。
「生きている蚕を。」 「はい、こちらです。」 湯気の立ち上る作業籠から顔を上げ、再び入り口へ戻ろうという時だった。
ドン!!! 背中に受けた大きな衝撃。私は思わずよろめいた。 「・・・ばががおめ・・・早ぐ気付げじゃ・・・」 懐かしい声色。 思わず振り向き、立ち尽くしてしまった。 「いづまでもわがねふりすんなじゃ・・・」 防菌マスクを外した向こう側にあった顔。あれから10年が経ったが、私には間違える自身すら無かった。 なぜなら、あまりにもその風貌に変化が無かったから。 「まさか・・・聖香(せいか)・・・か?」 彼女は作業席を立ち、そして私の目の前に立った。
パンッ
私の頬への平手打ちは、僅かな痛みと大きな桑の葉の味がした。
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12月16日(火)22:55 | コメント(1) | 趣味 | 管理
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