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リトスバスターズ!  2 西園美魚

「keyらしさ」とは何か

シナリオのテンポはまさにkeyそのものであって、不自然なキャラボイスの存在と謎のキャラデザインを除けば、その懐かしさに郷愁を感じざるを得ない。そう、やはり私はkeyの作品をプレイしているのだと思える安心感を古参プレイヤーに提供できた部分でこのシナリオの評価(ファンとしての)は高い。しかしながらAIR以降は特にメインシナリオ偏重が顕著であるから、CLANNADにおける智代、ことみ、風子のような立ち位置が与えられているように感じられる。杏についてはさておき、これを新規のライターが書いているならば、相当keyの作風を学んでいることに他ならない。それを大きく感じられる部分としては、シナリオ分岐後、結末前における冗長性がまず挙げられる。物語が一旦「日常」に回帰し、それ以前の出来事に対しての違和感から主人公が行動を起こす様はまさに月宮あゆや伊吹風子のシナリオと同様のギミックである。多くのファンはその度に汗を目から流し、価格以上の価値をそこに見出した。
また古参のファンであれば、このシナリオにえいえんのせかいに近い何かを感じざるを得ない。個性の強いあゆや風子とは異なり、このヒロインの個性は強く制限され、ここでは同時に、多くのプレイヤーの期待を裏切るkeyらしくない絵師の登用が見事にプレイヤーの関心を削ぐことに成功し、その存在の「儚さ」を見事に表現せしめている。ヒロインの強い個性は「存在」の先にある「想い」や「願い」を表現したが、今回は「存在」というそれ自体に着目したというわけである。そのために、このシナリオの結末はなんともあっけらかんとしたものであって、これはONEに近い印象を与えるが、国宝レベルの作品と比べることもないだろう。もちろん、これを上回ることなどできるわけもないのだが。

旧作との重なり

空の青さや鳥、更に透明さや広大さを連想させる要素は私にとって大好物であるので、多少なり評価は高めになることを予め断っておきたい。
既にプレイされた方ならばAIRとの世界観の類似点や、ONEに似た発想がシナリオに含まれていることは、プレイ段階で既にお気づきになられたことだろう。もしかしたらこのシナリオの構想自体は非常に古くからあったものかもしれない。私としては、最高でAIR以前から既にあったものと予想しているが、というのも、似たような性格を持つヒロインが必ず作中に登場してきたからである。ただ、中心となるシナリオとは上手く結び付けられなかったとか、プロットまで構想が形を帯びてこなかったとかの様々な理由がそこにあったものと思われる。AIRでは、あの名シーンで知られる遠野美凪が排出され、CLANNADでは一ノ瀬ことみにお株を奪われた感がある。翼を持って現れた少女は別にみちるでなくてもよかったわけだし、ことみは親を失った部分でえいえんのせかいを夢想してもよかったはずである。前者はとにかく美凪が上手くいきすぎて、後者は有紀寧の存在もあって、枠が用意できなかったものと予想できる。
分岐直後段階では、私はONEに対する一種の解答めいたものの提示がライター自身から行われる予感にある種の高揚を隠し切れなかった。それはある意味では期待であって、ある意味では絶望でもあったが、今回のそれは、えいえんのせかいほど遠い世界ではなかったようだ。理由はそのままこのシナリオの帰着点であるから、皆様自身で確認していただくとして、何より最後のCGについては言及すべきだろう。私がこのシナリオを高く評価するのは、この最後の一枚に起因するところが大きい。廻り廻って、再びkeyの原点に回帰したこの瞬間に涙腺崩壊したのは私だけではないだろう。この感動は作品そのものの感動とはやや異なるため純粋な評価には含めないことが望ましいが、それでもあのCGにはある種の製作者側の意図を感じずにはいられない。
思えば、長森瑞佳はとても一途なヒロインだった。最後の最後まで折原浩平と共にいることを望んだ。いよいよ旅立とうとする浩平が消え行く瞬間を今でも克明に思い出せるプレイヤーはどれだけいるだろう。その瞬間に対する逆の返答だとも言いたいのだろうか。

若山牧水は私の専門ではない。



12月3日(水)02:51 | コメント(1) | 趣味 | 管理

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コメント

やはり

eveなら西園さんシナリオの良さが分かると思った

 by ヴぃっぺr | 12月5日(金)09:10


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