| 月食 |
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| 越えてゆく 遥か夢も 流る川の ほとりを いつも一人で いつも歩いた 今は 違う道を
夏が終わりを告げようとしている。 月食を見ていたとき、私はふと考えた。あの頃は何を考えて、あの月を見ていたのかを。 あの頃はまさに、あの曲の一節と同じ光景が、自分の前に広がっていたと記憶している。
夏休みが始まると、私はすぐに祖母・祖父の家に泊まりに行った。 家にいても暇だった。集団行動のとれない私と遊んでくれるような友人なんていなかった。 田舎の山奥にも友人はいない。しょうがなく、私はよく一人で田んぼのあぜ道を駈けた。 集落の中心を流れる川も、決して清流とは言えなかった。流れも急で、それでも危険を冒してほとりに近づいて祖父に怒られた。 ある夜、私はカブトムシ採りのため、近くの外灯に向かった。 そこには地元の子供達も数人いて、今夏の成果を私にも見せてくれた。 私はそうして、次の日から彼らと遊ぶようになった。
遠くなる 遥か夏よ 流る川の 町で 僕等 遊んだ 僕等 生きてた 今も覚えてる
あの時の彼らは、今はどうしているのだろう? 今会ったならば、またあの頃のように声をかけてくれるだろうか? 時が進み、今やそこで元気に遊ぶ子供達の姿はない。 彼らも全てその場所から去り、私がただ一人、その場所で未だに夜の外灯の下、カブトムシを探している。
ろくでもない子供が、ろくな大人になれるわけがない。 おかげで今、私はこんな無能な男になってしまった。 私は今後、どう生きるべきだろう? そんなことすら考えなかった少年時代を、月を見ながら思い出した。 私は遠野美凪ではないが、もしかしたらまさしく今、彼女と似たような状態にあるのかもしれない。 もしそうであるならば、私は彼女に問いたい。 「羽を持たぬ翼で空は飛べるのか」と。
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8月29日(水)01:35 | コメント(0) | 趣味 | 管理
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